復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第15回 2017年4月17日

 

 

こんにちは、岡庭野野花です。

 

 

先週末、沖縄へ行ってきました。ちょうど北朝鮮とアメリカの緊張が高まるタイミングでした。でも、米軍基地のある沖縄はというと、多くの観光客で賑わっていて、緊迫感などをまったく感じませんでした。

 

きょうは、沖縄への旅で知った事実をぜひ皆さんと共有したいと思います。

 

まず、米軍基地は、沖縄の経済的基盤確立の上で必要なものだと痛感しました。基地は借地ですので莫大な地代が入り、沖縄全土で4万人の地主が、毎年総額900億円の地代を国から受け取っているのです。その地代を活用して、マンションやリゾート開発を行なってきました。今、沖縄はバブルだと感じます。

 

思いやり予算という莫大な公共投資沖縄返還から累計で約11兆円)があって、観光立国という名の地域振興が行われ、それは地元の土地持ちと東京のデベロッパーが手がけています。

 

沖縄は、一人当たり県民所得最下位 (東京都の半分以下)失業率も日本一。数字的には全国で最も貧しい県です。でも一方で、振興策で大企業、特に建設業は潤っていて、年収1000万以上の割合が全国で9位という事実!

所得格差を測る指標の「ジニ係数」が最下位グループで、つまり、日本一貧富の差が大きい県なのです。

 

私は、この事実に大変驚きました。

 

沖縄の事実に興味を持ちつつ……

改めて『父の自己決定力』を読み返してみました。

父はTBSに在籍中にテレビドキュメンタリストとして、さまざまなドキュメンタリー番組を制作しました。現場では常にとても苦労をしていたようで、その様子が伝わってくる部分があります。

 

P.17 の「依存症社会症候群」より(以下、抜粋)

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汗水たらして広報社会に新鮮な情報、つまり事実をもたらして、さて返ってくる反応が、いつも次のようなパターンではいいかげんいやにもなる。どんな反応か。〝なるほど、岡庭のドキュメンタリは、隠された事実を曝きだして衝撃的であった。しかし不満が残る。ではどうすればいいか、それをあなたはちっとも教えてくれないではないか〟というのである。

 

わたしはほとんど怒鳴り返したい気分だ。情報はきちんと出した。日本の現実が、いかにひどい状態か分かったはずだ。その先、この現実のなかでどう生きるのか、どう日本を変えようとするのか、それはあなたが考えるべきことだろう。自分の生き方を決めてくれと、テレビごときにねだる発想をまずやめたまえ。乱暴にいってしまえば、そうなる。

 

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この父のことばが、今の社会を鋭く刺しているように思えてなりません。

 

 

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(つづく)