第22回 2017年6月12日
こんにちは、岡庭野野花です。
『自己決定力』には、どうすれば現状を脱して変われるのかが、
P60に綴られています。
「問題はどこにあるのか。
とりあえずははっきりしている。この悪循環の流れを逆にして、実態としての経済、実態としての富を持つことである。つまり分配率を高め、国内市場を形成し、企業ではなく人間に富が集積する構造に逆転してゆく。つまり、自前の資本主義の育成である。そのことを措いて、危機ののりこえなどはありえないのである。」
この一節には思わず、アンダーラインを引いてしまいました。
さらに読み進むと、
p68 「強盗独占資本主義」との小見出しが目を惹きます。
父は、戦後の保守政権を「強盗独占資本主義」と称しているのです。
「戦後、保守政権は学問上のケインズ主義から学んだのではなく、復興特需と戦時賠償を通じて、経験的にこの〝強奪して分配する〟方程式を編み出した。租税は国家の強盗行為とみなす立場からすれば、さしずめ強盗独占資本主義の成立ということになる。」
そして、
「〝独占=分配〟による独裁は、経済構造だけではない。経済とともに、労働・教育・情報をつらぬく本質として、いわば三位一体をなしている。」
と綴っています。
「こうした〝独占=分配〟による独裁という権力構造は、確個として不変である。私たちが自前の社会に生きたいと望むなら、この構造をさかさまに置き換えなければならない。いわば矢印を逆に置き換えること。
すべてを、いったん個(からだ)に集中させ、そこから再分配する。そこにしか、自己決定力をもつ自前の社会の可能性はない。」
少しわかりにくいかもしれません。
どう生きていくかを考えるヒントを得るためには、もっとリアルに分析しなくては、前に進めないように思います。
次回からは、この具体性について本書から読み取っていきたいと思います。
P.S.今度の日曜日は、父の日ですね。