復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第31回 2017年8月28日

こんにちは、岡庭野野花です。

今日は、『かくもさまざまな言論操作』を読みながら、この本が出版された頃の行政改革について振り返っていきます。

 

A:

一党独裁と情報帝国主義について」の、4つ目の段落のP17を開いてみてください。

 

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 政治はいま、もっぱら「行政改革」を掲げている。もとよりそれを、まったくの欺瞞とのみきめつけてしまうのは、事実に反するだろう。体制的な危機意識の切実さは、そこにもなにがしかは反映しているはずである。

 しかしそれは、国家や民衆にとっての、本来の意味での「危機」ではない、独裁の勝手な都合の枠内にとどまっている。本来は根本で転倒したままなのだ、と言わなければならないだろう。

 そもそも、行政改革とはいかなる概念なのか、といった基本的な問いが存在しないまま、ただ官庁機構を一部手直しすることが、そのすべてだというように事態は演出されている。これが欺瞞であることは、わざわざ説明するまでもないのだ。たしかに、すでに述べた、独裁の勝手な「都合」としての「危機意識」は、そこに、それなりには反映しているのだろう。

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B:

先週ちゃんとおさらいしていたから、す〜っと理解できますね。

 

A:

当時の行政改革の最終報告では、国家目複雑化して、々刻々化する内外境に即して、明な価値選択政策展を行っていく上で、その限界ないし能障害を露呈しつつある、としていました。

「内閣総理大臣の指性」「内及び内閣総理大臣の支援体制」を能面で明化して、「官僚主」から、選挙民の意思を背景とした政策を施するための「政治主」に転換することになった。

 

B:

それが今に至って、安倍一強の官邸主導により、国家戦略特区や地域創生やら一億総活躍プランなどが行われているわけなんですね。

 

A:

そして、今まさに騒がれている加計問題などの「忖度」が起こっているというわけ。

 

B:

みごとなまでに、すべてつながります。

 

野野花:

では、もう一度、当時を振り返りましょう。

 

橋本内閣が消費税増税で退陣後、小泉政権が誕生しました。

当時の小泉首相は、構造改革なくして景気回復なし」として、郵政民営化を進めます。小泉首相は、構造改革に反対する議員達(後には、改革に反対する官庁なども含まれる)をまとめて「抵抗勢力」と呼び、メディアも小泉を持ち上げていきました。あの当時の熱さは、今でも思い出されます。

(つづく)

 

ところで、本はもうお手元にあるでしょうか。Amazonにも中古ですが在庫があるようです。

 

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