復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第32回 2017年9月4日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

小泉政権誕生の話しの続きをしましょう。

メディアがこぞって小泉政権を持ち上げていましたね。

 

A、B:

はい、それはとてもよく覚えています。

小泉劇場」って言葉が氾濫していました。

 

A:

その後、景気回復の遅れ、田中真紀子外務大臣の更迭といったことから支持率が急落していったんです。

 

B:

はい。そうして、第一次安倍内閣へと移行していきました。

 

A:

小泉劇場」のあの頃が、メディアが政治を煽った時期ではなかったでしょうか?

 

 

野野花:

父は、「郵政民営化」についても語っています。

 

P18から読んでみますね。

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官庁機構の手直しといえば、郵政省を解体するという構想には、独裁の意志があまりにも露骨にあらわれているだろう。

独裁の根拠は租税収奪である。郵便局を持ち、大きな郵便貯金の力を背景に、一定の自立した権力であり得る郵政省は、それゆえに独裁の許容するところではなかったのである。それにまた、「危機」に対処する金融再編の思惑が、さまざまに絡むだろう。どちらにせよ、こういうものが「行政改革」と称しているのだ。

 

 行政が本来どのように問題なのか、さらに言えば、生活とかかわりがなく、ただの権力でしかない中央の行政など、わたしたちにとってそれじたい必要なものなのか、といった本質的な問題提起が、こういう「行政改革」案の次元に、あり得るはずもなかった。これもまた、むしろ実質的には、行政(官僚)自身から出されている構想だと考える方が現実的なのではないか。

 

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p21

 真の意味での「行政改革」の柱が、権力の市民に対する情報公開であるのは自明の理である。そして、この国の権力が、それを実行するわけがないことも、また自明の理である。この国の独裁は、まさに情報帝国主義に依拠してこそ、権力であることを防衛しているのだ。

 

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野野花:

ひるがえって、現在……

一億総活躍」「地方創生」「国際戦略特区」まちひとしごとなどなど、耳あたりよく情報公開はされていても、その中身の吟味が出来ないようなプロジェクトが行われているように思います。

 

B:

バラマキの補助金事業の展開も、しかり。

メディアから聞こえてくる耳あたりのいい言葉の裏に実際に起きていることといったら、富の格差でしょう。

 

A:

はい。そして、見捨てられる地方!

 

野野花:

この事実を、みんなどこかで感じながら生活しているのが日本です。

この日本の閉塞感は、父がこの本を書いた時より、もっとずっと深刻になっているかもしれません。

 

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