復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第33回 2017年9月11日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

今、民進党メルトダウンが止まらない状況です。

前川誠司氏が代表に決まり、これまでのメルトダウンに少しはブレーキがかかるかも、と思った矢先、今度は山尾志桜里議員の不倫スキャンダル。幹事長就任の直前のことでした。

 

A:

これが引き金になったのでしょうか、民進党の議員が5人も離党しましたね。

 

野野花:

一方では、北朝鮮問題の深刻化が進む流れで、安倍内閣の支持率が上がっています。

 

B:

少し前は、富田議員の「このはげー」事件、そして、今井議員の不倫スキャンダル。所謂、文春砲と言われるスキャンダル! これに政治家が右往左往している。

 

A:

振り返ってみてもこの国の政治は、週刊誌スキャンダルを発端に、メディアに混乱させられています。政策論争はなく、スキャンダルによって左右されるなんて……

 

B:

こうした話ってたいてい内部リークから始まるものなのに、最近のスキャンダルってなんだか会社の給湯室の噂話のような内容じゃない?! まるで芸能界のネタみたいだと感じます。

 

野野花:

その視点で改めて、『かくもさまざまな言論操作』に戻ってみたいと思います。

 

P46

報道情報はじつにさまざまな、巧緻、狡猾、巧妙なからくりにみちているといっていい。スクープがじつはリーク、つまり権力からわざわざ提供され、しかも提供された報道の側もそれに気がついていない、という例などは、特にめずらしくもないだろう。総じて、「国民のため」という印象を伴っている情報の例にこそ、疑うべき場合が多いようにも思われる。

独占企業や権力それ自身が、「加害者」や「被疑者」として扱われる報道情報に接して、「強いものいじめ」い喜んではなるまい。ましてやそれを以て、報道もたまにはがんばるではないか、などと錯覚するのは愚劣である。おそらくは、そのような例こそが、巧緻、巧妙、狡猾な情報帝国主義の仕掛けなのであって、それはその程度には、あるいはそのような側面からは、情報を公にし、あるいは弾劾することが独裁の利益になるからこそ、暴いたり、攻撃したりしているのだ。

 

野野花:

さらに興味深い内容が続きます。

 

P46の終わりからp47へ

つまりは、こうだ。報道が盛大に騒いでいる。われわれもついそれに巻き込まれ、その対象がまぎれもなくタブーであった動燃などの場合は特に、あるいは体制も、いささかはかいようされたのかという類の錯覚まで持ちかねないのが、その「騒ぎ」の内容を冷静に判断すれば、じつは大したことはないにも報道されておらず、しかも具体的な弾劾の陰に、本質的な反省を隠して、巧妙に棚上げしているのだ。つまり、角度を変えて論ずるなら、「肝心なこと」に議論が及ばないようにするためにこそ、弾劾(に似た擁護、ということになるかも知れない)がなされているといわねばならないのである。

これは、わたしのいう「不祥事の力学」でもある。

 

 

野野花:

「不祥事の力学」とは、本来批判すべきことを批判するのに必要な、論理的検討を阻害してしまうことだと、父は述べています。

 

A:

まさに今、どのテレビを見ても毎日同じ内容、同じコメンテーターが情報を流しています。

 

B:

そうして、論理的検討が阻害されているのですね。

 

野野花:

次回は、

「政治家という職業」こそは倒錯である

の章から読もうと思います。そこには、「二大政党」論は既に破綻した、という内容が述べられています。あの当時から既に瓦解していた「二大政党」論を、あらためて紐解いてみます。

 

暑さが戻っていますが、朝夕は秋の風を感じますね。

 

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