復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第11回 2017年3月13日

こんにちは、岡庭野野花です。

トランプ ―— 安倍会談後、マスメディアは、米国と日本はうまく行けそうだ!! となって早いもので1カ月が過ぎました。いやはや、トランプ批判の報道はどんどん少なくなってきています。

「これで日本は大丈夫」って、みんな思っているのでしょうか。

 『亡国の予言』を読んで、父の言う「鎖国モラトリアム」はまだまだ続くんだなあと思いながらテレビを見ていて、びっくりしたことがあります。

ちょうど1カ月前、2月13日月曜日、朝のワイドショーで女優・清水富美加が、大川隆法総裁率いる「幸福の科学」教団に出家したと報道されていたんですが……

この大川隆法が『亡国の予言』に登場するんです。

 

A:

え〜〜〜っ。トランプに続いて、大川隆法も登場するとは! それは、びっくりですね。タイムリーすぎます!!

 

野野花:

抜粋してみますね。「ゆがんだ鏡———なぜアメリカを直視しえないか」の章の、「〝腰抜け〟ブッシュのせつない変身願望」の一節なんだけど、

 

著名な編集者・島地勝彦……(中略)……島地の《世界に出て馬鹿にされない人間になって欲しい》という、日本人への注文には、わたしも同意する。けれどもそれが、再びなるオカルト・ブームを批判した、松下清史の優れたレポート「ノストラダムスブームに乗る虚業家たちを撃つ!」

(「噂の真相」1991年6月号

参照HP http://www.geocities.jp/hs_cult/page14.html)の結語

《……今回のブームの裏には「湾岸戦争批判」を逆手にとった反米意識の増長とネオ・ナショナリズムの高揚(「今こそ日本がしっかりしなくては……」)のアジテーションがある。「太陽の法」で世界を救う日の本の国、と五島が書いた。それに便乗した大川隆法は、戦争反対にかこつけては三島由紀夫の後を追いはじめたいとう某や島田某の、よりシステム化されたネガ像というべきかもしれない》のような当今の〝気分〟に終わるとしたら、やはり空しい。

この二人の〝某〟とは、いとうせいこう島田雅彦というポップ小説家のことで (中略) ともあれ、いつまでも、アメリカに対して屈服か憎悪の二分法しかないのでは、やりきれない。それこそが、鎖国モラトリアムの感情でしかあるまい。

 

と、書いています。

 

B:

す、すごい。今の状況とあまりにも似ていて、背筋がゾクゾクしてきます。

改めて、岡庭昇って、何者なのって思わずにはいられないですね。

 

A:

そういえば、ノストラダムスがトランプ大統領の誕生を、完全に予測していたっていう話がウェブ上に載っているんです。

http://tocana.jp/2016/11/post_11445_entry.html

こうして世界が不安定になってくると、新興宗教ブームがこの国にやってくる……。

 

B:

うーむ。

結局この日本に相も変わらずにある「鎖国モラトリアム」って、「世界的にアメリカもヨーロッパも不安定だけど、日出る国の私たち日本は、他の国と違って大丈夫!」って、昔から信じてきたメンタリティで、それはある意味、宗教に近いものではないかしら。

 

A:

「屈服か憎悪の二分法ではなく」、八百万の神(やおよろずのかみ)がいる日本は白黒付けずに何でも受け入れるんだから、どこまで行っても沈まないってメディアも国民もみんなで信じようとしてるのかもしれない?

 

B:

白黒付けないなら、移民も難民も見えない……。移民や難民について語るも、鈍感なのでスルー。うまくやり過ごして、通り過ごせばなんとかなるっていう思考だなって、2月初旬の中旬までのメディアの報道を見て感じました。

 

A:

うんうん。1991年も今も世の中を直視しない「鎖国モラトリアム」で、日本はある意味一つの宗教かもしれないって思えてきます。

宗教だから悪い面を見ようとしない。

 

B:

なるほど。何もかもすべてを内包する日出る国だから、そこにある差別にも気がつかないってわけですね。

 

野野花:

来週は、『亡国の予言』をまとめながら、「飽和の中の危機 —― ジャパン・バッシングを聞け」の意味をみなさんと考えてみたいです。

 

B:

本は図書館で貸し出し中だったので、ネットで注文したら、1円で買えましたよ。まだお手元にない方は、ぜひ!

 

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