復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第54回 2018年3月26日

こんにちは、岡庭野野花です。

桜の開花が早く、あっという間に見ごろ、そして花吹雪となりました。

さて、共和党

それが重要な票田になることに気づいた党こそが、共和党だったのです。

キリスト教福音派と呼ばれる人たちのおよそ78パーセントが投票に行くわけです。

 

A:
調べてみましたら、1980年のロナルド・レーガンの大統領選挙時には、共和党は伝統的モラルへの回帰を唱えて、彼らを取り込んだそうです。

 

B:

そしてそれ以後、福音派共和党の強力な支持基盤となっていったということですね。

 

A:

ブッシュの時も同様。この支持基盤をもとに当選し、大統領になりました。

この周辺のことが、『帝国の暗闇から』にも書かれています。

 

野野花:

はい。第4節の左翼原理主義キリスト教原理主義のところ。今読んでも、とても興味深いです。

 

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P118

だが、第三世界への侵略と支配を積極的に推し進めるブッシュ・ネオコン政権は、みずからは妊娠中絶に反対し、進化論を否定したり、白人至上を主張する野蛮なキリスト教原理主義者をその中心的な支持基盤にしているのだから呆れる。誰にとっても愚者であることが明らかなブッシュが、それでも権力を持ち得るのも、この信者60000万人ともいわれるアメリカの超右派=原理主義キリスト教のお陰なのだ。

 

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野野花:

そして、トランプもしかり……。

 

A:

キリスト教福音派の人々はこのように言っています。

「アメリカはイスラム教国に攻め込んで、指導者たちを皆殺しにし、国民をキリスト教に改宗させなくちゃ」

地球温暖化はリベラルが作ったウソなのよ」
「進化論は悪魔の嘘」

「中絶は殺人」

「ゲイは地獄に行く」

こんな無茶苦茶なことを、正に主張しているではないですか。

 

B:

グローバル化にも異をとなえ、アメリカンファーストを標榜しているのですね。

本にもこのような文章が、、、、

 

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P119

また、坪内隆彦の優れた問題意識を持つ『キリスト教原理主義のアメリカ』は、1997年3月に刊行されているが、2004年段階でのイラク侵略戦争の本質をすでに言い当てている。 彼は、クリントンを沈黙させた右派政治家に触れて《ヘルムズの国連批判は、ブキャナンの国連批判とぴったりと共鳴している。ブキャナンは「国連のグローバリズムとそれにもとづく新世界秩序はアメリカの主権を脅かすだけだ」と断言している。この発言のトーンには、ジョン・バーチ協会の反国連思想すら連想させるものがある》(同)

 

B:

坪内隆彦の本もちゃんと読みたいと思っています。

そして、続く、岡庭先生の一言が、印象的です。

 

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P120

ブッシュ・ジュニアが、オリジナルに始めた「悪」などどこにもないのだ。

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A:

先日、トランプは大統領から中間選挙に向かって、大統領ではなく一候補者として思考が戻っていて、テレビであるコメンテーターが、「中間選挙をベースに考えているのではないか」と言っていました。

 

B:

先の注目された米朝首脳会談も、世界的には歓迎されることではあるけど、トップ同士がもし席を立った時には、次の選択肢は有事しかないという懸念がありますね。

 

A:

ティラーソンはその事を非常に気にかけていたようでした。

今、トランプ陣営には、副大統領にはペンス、国務長官にはマイク・ポンペオという2人のよ右派キリスト教福音派がいます。

 

B:

しかも、元軍人。

 

A:

湾岸戦争、9.11、アフガン侵攻には、キリスト教原理主義といわれる右派キリスト教福音派の熱狂的な支持者がいたことを、私たちはどこかで気にかけておかなければと思わずにはいられませんね。

野野花:

『帝国の暗闇から』のページを、なかなか閉じられないのは、いまに通じることがあまりにも多いからに他なりません。

 

桜がきれいでつい上ばかり見て歩きますが、足元もしっかり見たいもの……。

 

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