第59回 2018年5月14日
こんにちは、岡庭野野花です。
本来、官僚は「時の政権」と同時に「国民に仕える」責任があります。実務の担当者として、首相や大臣を諌(いさ)める役割も負わなければなければなりません。
A:
わっ。その視点に今、ハッとさせられました。つまり、政治家の側も、両義的な役割と責任を持つ官僚を尊重して、共存することを求められなければならない……ということですね。
野野花:
官僚は「政治家の下僕」ではないのです。でも、官僚が自律的な役割を果たそうとすると、かつて父が言っていた「官僚独裁」になってしまいます。
小泉政権からの、「官僚は既得権益をもつ悪者である。岩盤規制を取り払うことに日本の未来がある」という政治のプロパガンダによって、構造改革推進を政治主導で進めて、日本政治における政官関係の難しさが森友学園などの一連の問題が長引きかせているんです。
B:
政治運営に多大なる支障をきたしていますよね?
なぜこんなにも長引いているのでしょうか。
A:
閣僚や官僚であれば、罷免されたり、辞任したりすることで、収束しますが、この問題が終わらないのは、政権トップの関与が焦点となっている。
B:
なるほど。なんて厄介なんでしょう!
A:
そして、この構造を産み出してしまったのは、私たち国民にも責任があるのではないかと、最近は思ってしまいます。
B:
私も同感です。
A:
首相となっても「解任」のハードルはとても高くて、解任した姿ってだれも描けないんです。
野野花:
組織のトップは、「高潔さ(integrity)」と「自己抑制」を求められますが、今の首相はその資質を持っているでしょうか?
A・B:
…………。
野野花:
まあ、そのような議論は皆さまの判断に委ねるとして、客観的に見れば現政権は「独裁的」だと思えるでしょう。
B:
独裁者といえばヒットラーですね! ヒトラーについても『帝国の暗闇から』に書かれていました。
野野花:
はい、「第4節 独裁の概念が変容」の中で述べています。ヒットラーについては本書を読むことで父の持論を理解していただけたらと思います。
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