復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第25回 2017年7月10日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

先週から考えはじめているのですが、「暴力団」とは、いったい何なのでしょうか。

『自己決定力』をもう一度開いて、暴力団についての文章を追ってみます。

 

***

 

P9596

 

 すべてのヤクザ(任侠)は、自=称である。

自分からそうだと名乗っているから、ヤクザ(任侠、渡世人、極道)なのだ。

 あたりまえではないか、だって? それが現在の日本では、ちっともあたありまえではないのだ。1992年春、暴対法(暴力団新法)というものが登場した。これは、行為を裁く法律ではないという意味で、際だって特異な法律である。行為を裁くのでなければ、いったい何を裁くのか。存在を裁こうというのである。その意味では、まったく民主主義社会の法治概念にそぐわない。

 

 戦後保守一党独裁政権は、当然のことながら左翼、新左翼を弾圧してきたが、法的な形式上は個々の行為を裁いている。〝過激派〟という巧みな@称を作り上げ、マスコミの協力で流布させることで、元々政治的な立場が異なるだけなのに、存在そのものを〝悪〟とイメージづけるのに成功した。それにしても〝過激派だから逮捕する〟という〝形式〟は、かつて存在しなかった。なんらかの行為が対象であった。

 ところが暴対法は、〝おまえは暴力団の構成員だ。だから犯罪者だ〟と、いわば予断や差別を法的形式として実効させようというのである。

 

**

 

みなさん、私は思うのです。

 

今回の「共謀罪」法案は、まさにこの「暴対法」の流れに近いものではないかと。これまでの「未遂罪」や「予備罪」とは、まるで異なるようです。犯罪の実行に着手したけれど、結果的に遂げられなかったものが「未遂罪」。計画した殺人に使用する目的で凶器を購入することなどが「予備罪」。「話し合って合意したとみなされる段階」で裁くことが「共謀罪」となります。

当時の「暴対法」と同様、集まっているだけで話し合って合意したとみなされる可能性がでることになるのです。

 

気分転換にときどき散歩をしますが、かわいいお花に出会うと癒されます。

 

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第24回 2017年7月3日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

金丸に竹下、そして東京佐川急便に稲川会の名がマスコミを賑わせ、1992年3月、「暴力団対策法」(略して、「暴対法」)が施行されました。

正式名称は、

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(平成3年法律第77号)。

私たち市民の生活や経済活動を侵食する暴力団の封じ込めるのが目的です。

同時に、「暴力追放運動推進センタ―」、いわゆる「暴追センタ―」なるものが都道府県に設置されはじめます。こんなポスターを見かけませんか?

 

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ここで少し、暴力団関連の法律についてもおさらいしておきましょう。

 

構成員の犯罪前歴者割合が政令で定める比率以上という規定に該当する暴力団を、公安委員会が「指定暴力団」または「指定暴力団連合」と指定します。

指定された暴力団の組員らは、寄付金や物品購入の強要などを、暴力的要求行為として禁止されるのです。

これ以降ですが、さらに証券スキャンダルなどで暴力団の「経済ヤクザ化」が表面化してくると、「損失補填(ほてん)」や不当な株の買い取りの要求、競売妨害などを禁止するよう一部改正されて、1993年8月に施行となりました。

 

2012年10月には、不当要求行為を繰り返す指定暴力団を「特定危険指定暴力団」、危険な対立抗争事件を繰り返す指定暴力団を「特定抗争指定暴力団」に指定して、警戒区域を定めるなどの改正がありました。

 

このような流れを受けて、2010年以降、暴力団関係者は8万人を割るようになって、減少の一路をたどります。

2015年の時点では、4万6900人との数字を目にしました。

 

というところで、また次回。来週は、本の本題に戻ります。

 

暑い日が続いていますので、みなさまどうぞご自愛ください。

第23回 2017年6月26日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

森友学園」への国有地売却問題や「加計学園」の獣医学部新設問題の、ある意味、スキャンダル的な(テレビショー的な)疑惑の裏で、「共謀罪」法案の採決が強行されてしまいました。

一連のこのニュースに目を離せない日々が続いて、ブログを書くのが遅れてしまいました。この状況を、父ならどんな風に取材して、語り、書き、斬っていくのだろう? と想像しつつ『自己決定力』に目をやると、問題提起の項目に今回と同じような状況が書かれていることに、ハッとしました。

 

「問題提起

金丸・竹下は〝悪〟か

政治家タタキの背景に浮上する警察国家

 

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この章を、今の現状と照らし合わせて読み進めてみたいと思います。

 

まずは、金丸信竹下登が世間を騒がせていた時代の政治状況を、今一度おさらいをしましょう。若い世代のみなさんは、ピンと来ない名前かもしれませんが、名前を聞くだけで「コンチクショウ!(金竹小)」と、眉間にシワが入ってしまう人も多いことでしょう。(金=金丸信、竹=竹下登、小=小沢一郎

 

時代は、1985年。昭和60年までたぐりよせます。アメリカではロナルド・レーガン2期目に突入、ソ連ではゴルバチョフが書記長に就任した年。日本はと言えば、第二期中曽根内閣で、外務大臣安倍晋太郎でした。

 

さて、本題です。

 

竹下登金丸信は、「創世会」を創設。自民党最大派田中派からクーデータ的に飛び出したんです。2月末には、田中角栄元首相が脳梗塞で倒れます。

1987年、「創世会」は「経世会」として正式に独立。11月に竹下が総理になりますが、1989年の「消費税導入」と「リクルート事件」により、内閣総辞職。

 

この裏を、金丸が取り仕切っていたようですが、中曽根康弘の後継(自民党の総裁指名)をめぐって、安倍晋太郎宮沢喜一と争っていた竹下が、右翼団体日本皇民党よりほめ殺しを受けたことに端を発する 「皇民党事件」が世間を騒がせました。そして1992年、東京佐川急便事件が発覚。金丸は衆議院議員を辞職したのです。

 

数千億円の資金が暴力団右翼団体に、一部は闇献金として政治家に流れたとされて、東京佐川急便の渡辺広康社長らが特別背任容疑で逮捕されます。

 

この後、金丸東京佐川急便広域暴力団の稲川会皇民党というルートで、佐川急便より暴力団右翼団体に資金が流れました。以降、稲川会より東京佐川急便に対して、さまざまな理由で資金援助の要請がされるようになったのです。

 

 

ふう。書いているだけで呼吸が浅くなってきました。

ちょっとここで深呼吸します。

第22回 2017年6月12日

こんにちは、岡庭野野花です。

『自己決定力』には、どうすれば現状を脱して変われるのかが、

P60に綴られています。

「問題はどこにあるのか。

 とりあえずははっきりしている。この悪循環の流れを逆にして、実態としての経済、実態としての富を持つことである。つまり分配率を高め、国内市場を形成し、企業ではなく人間に富が集積する構造に逆転してゆく。つまり、自前の資本主義の育成である。そのことを措いて、危機ののりこえなどはありえないのである。」

この一節には思わず、アンダーラインを引いてしまいました。

さらに読み進むと、

p68 「強盗独占資本主義」との小見出しが目を惹きます。

父は、戦後の保守政権を「強盗独占資本主義」と称しているのです。            

「戦後、保守政権は学問上のケインズ主義から学んだのではなく、復興特需と戦時賠償を通じて、経験的にこの〝強奪して分配する〟方程式を編み出した。租税は国家の強盗行為とみなす立場からすれば、さしずめ強盗独占資本主義の成立ということになる。」

そして、

「〝独占=分配〟による独裁は、経済構造だけではない。経済とともに、労働・教育・情報をつらぬく本質として、いわば三位一体をなしている。」

と綴っています。

「こうした〝独占=分配〟による独裁という権力構造は、確個として不変である。私たちが自前の社会に生きたいと望むなら、この構造をさかさまに置き換えなければならない。いわば矢印を逆に置き換えること。

すべてを、いったん個(からだ)に集中させ、そこから再分配する。そこにしか、自己決定力をもつ自前の社会の可能性はない。」

少しわかりにくいかもしれません。

どう生きていくかを考えるヒントを得るためには、もっとリアルに分析しなくては、前に進めないように思います。

次回からは、この具体性について本書から読み取っていきたいと思います。

 

P.S.今度の日曜日は、父の日ですね。

 

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第21回 2017年6月5日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

さらに、復習を続けたいと思います。

 

失われた10年と言われたその後、2001年に小泉政(~2006年)が足しましたグロバル化とIT革命の波がやってきました。日本人は、私たちの労働賃金の1/10程度で展途上国の労働者との争を余儀なくされて、小泉内閣は「改革なくして成なし」をスロガンに造改革を本格化させました

格差の元凶とまで言われた「労働者派遣法の改正」を政策に盛りみ、企にとって使い手のいい新たな雇用スタイルが誕生したのです。海外に生産拠点を移しつつあった日本企の、日本国内における産業の空洞化に止めをけたというわけですよね、Aさん。

 

A:

はい。そしてこの構造改革が、所得格差の大を産み出したことは間違いなし!

2002月以来、景気拡大期がいて、200611月には後最といわれた「いざなぎ景気」きました。実質率は平均2%弱と低くて、「感なき景」と言われたの、思い出します。2008年には世界金融危が起こって、再び不ったんです。

B:

この辺からはもう昨日のことみたいです。1990年代は、日本のバブル崩壊や欧米の経済低迷で日・米・欧州共に金融緩和が勧められて、1997年頃からのアジア通貨危機や、1998年に世界最大のヘッジファンドLTCMロングターム・キャピタル・マネジメント)が破綻でしょ。新興国ヘッジファンドへの投資マネーが一気に引き上げられて……

 

A:

そうした世界の金融緩和でだぶついていた資金が、注目度の高まっていたIT関連企業に集中。そこで起こったのが「IT バブル」です。アメリカでは、自動車(GM)や家電(GE)などの企業が死に絶えて、産業構造の転換が急務だった時代で、IT~コンピュータやインターネットの関連企業がその有力候補となったんですよね。

B:

そして、9.11。世界はまた不況になって、株価は低迷し続けて……。だんだん現在に近付いてきました。

 

A:

時は、アベノミクス規制緩和によって株価は上がり、成長戦略で補助金がばらまかれている今! 一方で、世界は貧富の差が広がっていて、保護主義が台頭し始めています。トランプの誕生は、忘れられた底辺の人々によるもので、ヨーロッパもまた、忘れられた人々の怒りにより保護主義や極右のチカラが台頭し始めているではないですか。

野野花:

でも、こうして声が上がるのはある意味、バランスだと言えるのではないでしょうか?

30ヶ国中、困率が4番目に高い国となっている日本人は、こうした声を上げることもなく、テレビでは森友問題が面白おかしく報道されています。

A、B:

ああ、自立していない、お任せ日本人!

野野花:

でもね、父は、「自立していない、お任せ日本人」に、可能性を見出そうとしていました。

(続く)

 

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第20回 2017年5月29日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

バブル崩壊以降の経済と政治の関係を復習しているところですが、この状況を父はこんな風に書いています。

 

p53〜 尻ぬぐい=プレ・バブルが始まった

 

 「官製国家には、官製ファシズムが充ち満ちている。たとえば、少し古いが一九九二年八月二十四日の新聞を例にとろう。まさに〝いま〟、この傲慢な国家が何をたくらんでいるかがよく見える。

 この日一日の発表記事をみるだけで、ざっとこれだけの〝官の横暴〟が横行している。まず、〝住宅金融会社を再編〟。

 《金融筋が二十三日明らかにしたところによると、大蔵省と日銀は巨額の不良債権を抱え軒並み経営難に陥っている住宅金融専門会社住専)を今後三年間で現在の農協系一社を除く七社体制から一,二社に再編、統一する方針で、具体的な検討を始めた。》」

 

p54

 「こんな馬鹿げた話があろうか。いいときは短期間に巨額の金を手にしたのが、バブル企業である。株や土地を転がすバブル企業に、無制限な金を貸し付けた金融機関も、同時に濡れ手に粟の利益を手にした。つられて株に手を出した一般大衆は、仕掛けられた罠にひっかけられてささやかな持ち金をまき上げられ、勝手に吊り上げられた地価のため、高い固定資産税を取り上げられるか、一生家をもつことが出来なくなった。あげくのはて、もともとババ抜きゲームであることが明らかだったバブルのババを、われわれの税金から支払わせようというのである。

 こんな傲慢な話が、涼しい顔でまかり通っているのだ。」

 

 

さらに、

p55には、赤字国債や消費税と政治家の発言に書かれています。

 

赤字国債、仕方がない/渡辺外相/税収不足生じれば》

 

《消費税率引き上げ/波紋広がる小沢発言》

 

父のまとめとしての一節、

「民主主義という枠組みを巧妙に使った、官僚(と官僚に使われる政治家たちの)ファシズム。それにしても、何と図々しく、あっけんからんとしたファシストたちだろう。何をいっても、いくらふみつけにしても、不満の声ひとつあげぬ国民大衆を安心してなめきって、彼らは傲慢な顔で独裁を楽しんでいる。依存症社会は徹底的になめられているのである。」

 

改めて復習をして、皆さんはどんな感想を抱かれたでしょうか。

 

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第19回 2017年5月22日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

今回は、バブル崩壊以降の経済と政治の関係を復習してみようと思います。

私よりも若い、たとえば大学生や高校生の皆さんもぜひおつきあいください。

用語解説も記してみました。

 

 

1990年代は、失われた10年と言われて、深刻な長期不況続きました。金融機関がバブル期にイケイケドンドンで進めた過剰融資で、株や土地を買いあさった不動会社や建設会社は倒産したり、借金の返済ができなくなりました。

その結果、回収困難な巨額の「不良債権」が発生して、多くの金融機関が破綻したのです。

不良債権⇒ 企業の破たんや経営悪化などの理由から、回収困難になる可能性が高い貸出金のこと。

 

需要の冷え込み、円高で安価な製品を輸入した結果の物価下落、企業収益の悪化、所得の減少、さらなる需要の冷え込みが続き、景気低迷の悪循環に陥っていきます。これが、「デフレ=スパイラル」です。 

デフレ・スパイラル⇒  デフレによる物価の下落で企業収益が悪化、人員や賃金が削減され、失業の増加、需要の減衰が起こり、さらにデフレが進むという連鎖的な悪循環。物価下落と利益減少が繰り返される状況。

 

1990年代後半には景気対策として公共事業が大規模に展開されましたが、その結果として大量の「赤字国債」が発行されたのです。

政府は、90年度に赤字国債の発行をゼロにすることを公約して、91年度予算で実現。しかしながら、94年度から再び発行され続けているのです。 

赤字国債 国の財政の赤字を補填のために発行される国債財政法上は発行は認められておらず、1年ごとに特例法を制定して発行。

 

当時、巨額の不良債権を抱えて経営難に陥っている住宅金融専門会社住専)に対しても、公的資金を投入したのですが、その額はなんと6850億円でした。愕然としますよね。

 

さて、ではこの状況を、父・岡庭昇は『自己決定力』の中で、どんな風に書いているでしょうか。

 

 

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