復刻『週刊 岡庭昇』

〜岡庭昇を因数分解する〜

第61回 2018年5月28日

こんにちは、岡庭野野花です。

 

世紀のトランプ金正恩米朝会談も終わり、報道もひと息ついたようですね。本当の意味で朝鮮半島が非核化に向かうかどうか、見えてくるのはこれから。朝鮮戦争終結に向けて、米・韓・朝・中・ロがそれぞれの思惑に合わせて動いていくのでしょう。

 

A:

日本は蚊帳の外なのですね。

 

野野花:

そもそも、朝鮮半島から日本軍が撤退したことに派生してるので、仕方がないと思います。その一方で、日本だけが「北朝鮮に圧力を」と、相変わらずG7で主張し、トランプには「日朝会議」の意志があることを伝えて欲しいと日米首脳会議で訴えました。

 

B:

帰国前に行った共同会見では、米国から大量の防衛装備を求められるなど、なんともかんともですよね。

 

A:

「好景気」といわれながらも、相対的貧困率は16%OECD指標でイスラエル、メキシコ、トルコ、チリ、アメリカに次ぐ、世界第6位です。先進国のなかでも上位なのです。

 

B:

相対的貧困率とはどういう意味でしょうか。絶対的貧困とは違いますか?

 

A:

国民の所得順に並べて、その中央値の半分に満たない人の割合のことです。わかりやすくいうと、その国の生活水準と比べて貧しい状態で、いわば経済的貧困を言います。

 

B:

つまり、格差!?

 

A:

社会全体の生活水準が上がっても、所得が中位の半分以下の人数が増えている現実。格差は広がってきています。そして、モリ・カケ問題、公文書の改ざん、財務省のセクハラなど、全体にモラルハザードが起きているとしか思われません。

 

B:

この国は民主主義国家と言えないような気がしてきました。

 

A:

どうも日本人は本当の意味で民主主義というものを理解できていないのではないのかもしれませんね。

 

野野花:

振り返ると、明治維新から戦前に至るまで、日本は産業国家として目まぐるしく発展してきました。皆が企業戦士へと駆り立てられる過程で、先輩日本人たちは、民主主義について根本的に考えていたのではないでしょうか。

 

父はこの本『帝国の暗闇から』 第4章 連帯へ の中でこのように書いています。

 

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P207〜

「村」(即ち民族、あるいは民族の基盤)は実態以外ではないが、この場合は軍事的な「力」によって支配をフィクションされているだけのものに過ぎない。だとすれば、「国家」による「主義」など空疎な観念でさえあり得ず、一部独裁者の戦略的な興味でしかあり得ないだろう。

 

中世の日本にも、自らの手によって形成されたこの鎮守の杜に囲まれた共同体、つまり民衆の主体に基づくナショナリティが(それは村落共同体という方が誤解を招かないだろうが)一定に形成されていたと推測する。

 

P208〜

つまり、国家は鎮守の杜、いいかえれば自発的なナショナリティを抑圧する敵であり、常にそれを狩り込もうとしているといえるではないだろうか。

 

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